家庭教師ハハの読書三昧!と日々の指導のアレコレ。

プロ家庭教師ハハの読書記録と日々の指導記録。

『わたしの すきな もの』

福岡伸一(2019)婦人之友社『わたしのすきなもの』

読んだキッカケ:
福岡伸一が好きで、新刊が出たらすぐに買う。
これは何となく読みたくなったらいつも手に取って読むくらい何度読んでいるかわからない。

評価:

私個人の好き度合い星5
★★★★★

 

再読。
やっぱり良いなぁ福岡伸一
こういう少年時代を過ごしてほしい、息子には。
虫取りも一緒にしたいし、図鑑と睨めっこして世界を広げていってほしい。

この本を最初に読んだ時も、「あぁやっぱりこういう少年時代を過ごしたのか。」と思いそれと同時に、「もしも子供がいたら、こんな風に育って欲しいよなぁ・・・ま!そんなことあるわけないけど!」って思っていたんだけれど、今隣に息子がいて、まさかの未来があるんだから、何が起こるかわからんね。


福岡伸一の母が婦人之友の愛読者であったようで、その縁なのか?連載をしていた33遍をまとめたものです。1つ1つがとても短いので大変読みやすく、その時に読みたいものを選びながら読むのも良いと思います。どれも心温まる優しさが詰まったお話です。
幸せになれる、幸せを探したい時の本。
 

そんな33遍の中のいつも感じる何遍か…
私の家には2代目の猫がいます。
1代目の子を病で亡くしているのでそれも含め、今の子のことも含め、猫の話では少し涙が出そうになりました。著者の母によく懐いていた猫が、母亡きあと、彼女がよくしてくれていた毛繕いを著者の父がしたときに大きな目で訴えかけてきたというシーン…。思い浮かべるだけで今も涙が出そうになります。

”教養のある人”とは何か、”それは時間軸を持っているかどうか”だというのも好き。さすが生物学者だなと思います。
指導しているといつも思うのは、「知識を教えることは教師がすることじゃない、その知識がどう生まれたのかを授け一緒に考えられることが教育者として必要なこと」。
こんなことを勝手に思ってやっていますが、知識だけなら教科書に載っているし、自習できるんですよね。いつも考えるのは、「なぜこれが生まれたのか」とか、「なぜこの名前になったのか」など自分が思い浮かべられるだけの疑問を自分に投げかけて調べることです。時に子供たちからくる質問は時に唸るようなものもあります。子供の不思議というのは私たちが思うものとは全く違うところにあるんですよね。そういう質問を聞くと自分の考え方を改めさせられたりもします。特に小学生から飛んでくる質問にはいつも舌を巻きます。

あとは著者が好きな虫の話。
蝶の話も好き、私も蝶の標本をオーストラリアで買ったものを今でも大切にしています。その時に、「この青は本物じゃないんだ」と思いながら、いつか本物の青を持つ蝶をこの目で見てみたいと思っていました。そこからもう15年以上経ちましたが、まだあの青い蝶を探しに異国へ踏み入れてもいないので、当然見たことはありません。


そんな10代の思い出を思い起こさせてくれ、優しさというのは思いもよらないところに溢れている、そんなことを教えてくれるエッセイ集です。

ベッドのそばにいつも置いておきたい一冊

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