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『教養として学んでおきたいクラシック音楽』

澤和樹(2022)マイナビ新書出版『教養として学んでおきたいクラシック音楽

 

読んだキッカケ:

書店で平積みされていて思わず手に取った。なんと著者が澤和樹先生!運命!
元々クラシック音楽には親しんでいたが、深く説明できるかというと
なかなか出来ないので、本の題名通り「教養」として今一度勉強したいと思って。

評価:

私個人の好き度合い星3
★★★☆☆

 

まず、この本はクラシック超初心者さんにオススメの本で、
少しでもクラシックをかじっていたり、コンサートによくいく人に対する本ではないです。
玄人がこの本を読んでクラシックを学ぼうと思うなら、かなり物足りないですから、
別の本にしましょう!!
澤先生も玄人に対しては書いていないと思います!!

つまり物足りなかったです。

私の音楽歴ですが、
幼い頃にピアノを習い始め、途中から声楽も始めました。楽典の勉強やソルフェージュなども学び、本格的に音大や芸大を目指していたこともありました。ですから、かなり音楽にかけてきた時間は長いことになります。それでもやはり10代の頃の話ですし、受験のためということもあり、興味を持ってやっていたわけではないんですよね。だから暗記要素が強く、今それがものになっているかと言うと、正直なっていない部分が大きい。あれから何年も経ちますが、人間形成期にすぐそばあったのがクラシックだったので、私にとってはなくてはならないものになっています。
 だからこそ今でも音楽は、自分が関わるべきものだと思っていますし、何か使命感のようなものも感じています。家でも良く流しているし、ふと「あれが聞きたいな。」と思うものもクラシック音楽だったりします。ある意味意地であるとも言えますが。
 
 そんな私が求めているクラシック音楽というのは、例えばルネサンス期が終わってからバロックが始まり、バッハが亡くなってから古典時代に移るとかの時代背景やその時代の音楽の特徴なんかを活字として読んで学びたい、とかなんですよね。
 『教養として』の『教養』とはどのようなものを指すのか、人それぞれだと思いますが、何かを知るならしっかり人に教えられるくらいの知識が欲しい、というのが私でした。でも良く考えたら、それはそういった本を選べば良い話で、こういった本に対して望みすぎだったと少し反省です。

 この著者、知る人は知っていると思いますが、澤和樹先生なんですよね。東京藝大の学長です。名前を見た瞬間に「東京藝大学長!新書書いてる!買わないと!」となりました。
 そういう意味でもワクワクしながら読みましたが、少し物足りない感でした。ただ、かなり気楽に読める本ですので、クラシック音楽に少しでも興味があって、キッカケにしたいとか、ちょっと復習しておきたいなどであればオススメです。2時間もあれば余裕で読めます。
 良かったのはバロックから現代までの作曲家の紹介と、澤先生のオススメの名曲を紹介してくれているところでしょうか。勿論知っているものもたくさんありましたが、全く知らなかったものもあり、全てメモして一つずつ耳で確認作業をしているところです。
 気になる方は是非本書を手にとって、澤先生オススメの名曲カタログをご覧ください。

 

 また、これは東京になりますが、オススメのコンサートホールの紹介も参考になりました。
他にも指揮者や楽団はもちろんのことバイオリニストやピアニスト、そして現在の若手で有望な方々の紹介もあり、こちらも調べる良い機会となりました。
 特に私はバイオリニストのアイザックスターンが好きで、小澤征爾アイザックスターンがボストン交響楽団とバイオリン協奏曲を演奏したCDは擦り切れるほど聞きました。

ですから、アイザックスターンが紹介されていて嬉しくなりました。
邦楽でも洋楽でも好きな演奏家がいれば、その人たちの音源を全て聞きたくなるものですよね。それと同様にクラシックの演奏家や指揮者で好きな人がいれば、その人の音源をとにかく漁って聞くのが良いと思います。特に指揮者に関してはやはり音楽の掴み方や癖のようなものがそのまま出てきますので、とても興味深いと思うはずです。

 話が少しそれましたが、本書はこれからクラシック音楽について学んでみたいな、クラシックの演奏会に行ってみたいな、でも少し怖いから何か下知識を入れておきたい。なんて人にはぴったりの本で、とても読みやすく短時間で基礎的なことを学ぶことができます。
 また、澤先生の人生についても触れられているので、どんな人が東京藝大の音楽科に行くのかを知りたい方にも素敵な本になるでしょう。
 私にとっては少し物足りなかったですが、収穫もあり良い息抜きになった本でした。


自分の音楽事情・・・
 私自身も声楽やピアノをもう一度・・・と思っていますが、なかなか前に進めません。息子にも音楽には触れておいて欲しい、まずはピアノを・・・とも思っていますが、良い先生、良い教室探しが難しいですね。自分の経験から、音楽(だけではないと思うが)は、絶対に良い先生について基礎を習わせておきたいと思っています。私自身が最初に出会った先生がいわゆる町のピアノの先生という感じで、声楽を習い始めた時に出会った先生との違いが歴然でしたし、圧倒的に足りないものが多く、「約10年何を習ってきたの!?」と言われたほどでした。残念ながら音楽で受験をさせるレベルの先生ではなかったんですよね。
 子どもは何で才能が開花するか分からない、だからこそ最初に出会うものには良いものに触れさせたいし、先達者は良い人であって欲しいと思っています。

作中のメモ
二宮敦人『最後の秘境•東京藝大』
さだまさしの名によるワルツ

サントリーホール
カザルスホール
ハクジュホール
東京藝大奏楽堂

ナクソスミュージックライブラリー

バイオリニスト
ヤッシャ ハイフェッツ
パブロデサラサーテ
ハイフェッツオンTV』
フリッツクライスラー
アイザックスターン

ピアニスト
アルトゥールルービンシュタイン
マルタアルゲリッチ
グレングールド

指揮者
カラヤン
カルロスクライバー

楽団
ベルリンフィル
ウィーンフィル
チェコフィル
ロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団

若手
上野耕平
ザレヴサクソフォンクヮルテット

沖澤のどか指揮者
鈴木優人指揮者
グスターボドゥダメル指揮者
角野隼人
大谷舞

トーマスコーンバーグ

 

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