家庭教師ハハの読書三昧!と日々の指導のアレコレ。

プロ家庭教師ハハの読書記録と日々の指導記録。

『妖怪を科学する!』

武村政春(2009)メディアファクトリー出版『妖怪を科学する!』

 

読んだキッカケ:

積読状態の本の中から残す本と売る本を仕分けするべくとりあえず読んでみた。

評価:

私個人の好き度合い星3
★★★☆☆

ソフトカバーのこうした本に期待をしていなかったが、意外に良かった。

 

 本の表紙のインパクトと題名から、『空想科学読本』のような本を想像していましたが、良い意味で期待は裏切られました。なんと、本書で取り上げられている妖怪が実は存在しているという設定で、その構造を生物学の学者が真剣に書いているという・・・なかなかのトンデモ本でした(笑)

 私個人は生物に明るくなく、一般的な知識しかありません。そんな私でも分かる説明と構造を描いた挿絵がとても興味深く、それぞれのページで食い入るように見つめていました。
 例えば「のっぺらぼう」が自在に目と口を隠せることとして、その時の顔の内部の状態、消化器官の構造がどうなっているのかがリアルに描いてあったりなど、普段私たちが妖怪を「そういうもの」と見ているだろうことを、「そういうものってどういうもの!?」と突っ込んで実際こうなっているはずだ!と想像しながら理論立てて描いてくれているわけです。それを読みながら想像解剖図を見ていると「あぁ、こんなのもありなのか・・・」と真面目に考えて引き込まれている自分に気づくのでした(笑)

 出てくる妖怪は7体、それぞれの章で解説されています。
読みやすかったのは注釈が多く、参考文献なども細かく記されているところでしょうか。また、参考文献に挙げている著書の作者の説明までしているところが、それらの背景なども知ることができたので良かったと思います。
 当然のことながら?水木しげる先生もしっかり登場されており、作者の妖怪好きが分かる作品となっていました。

 なんだか面白い人だなぁ、と思って読書メーターでレビューを読んでいたら、関連図書に作者の他の本が紹介されていて、まぁびっくり!
「え!この本、我が家のブルーバックス棚にあるやつじゃないですか!」
書いてる分野がある意味同じでもジャンルが違いすぎて全然気付かず!(笑)

 

⬆︎我が家のブルーバックスコーナーにある著者の本。
これ2冊とも同じ作者だと知らずに買っていました。

 好き好んで同じ著者の本を選んで買っていたならまだしも、
全く知らず知らずのうちに、違う分野ではあるけれど同じ作者の本を手にとっていたということに感動してしまいました(笑)この作者とは縁があったんだな、と。
しかも同じブルーバックスの棚の中にもこの著者2冊あることさえ知らなかったですしね!!

そんな縁があった今回の『妖怪を科学する!』ですが、申し訳ありませんが手放しました(笑)
ちょっとカバーが嫌いだったのと(やはり表紙は大事!ジャケ買いできるかどうかも大事!)、もう少し内容的にも濃いのが良かったかなと思いまして。
まぁでも妖怪好きなちょっと生物分野や進化生物論なんか好きな人にはオススメです。

 

 

 

作中で紹介されていた本で気になったもの

阿部主計 妖怪学入門
中村禎里 河童の日本史
石川純一郎 新盤 河童の世界
日野巌 動物妖怪譚
柳田國男 遠野物語
松谷みよ子 現代民話考
寺島良安 和漢三才図絵
鳥山石燕 百器徒然袋
小松左京 ハイネックの女
鳥山石燕 画図百鬼夜行
小松和彦 異人論
太平百物語、甲子夜話
小泉八雲 怪談
池田雅之 おとぎの国の妖怪たち
林巧 アジアおばけ諸島
十返舎一九 信有奇怪会たのみありばけものまじわり
日高敏隆 動物という文化
横山泰子 近世文化における轆轤首の形状について
江馬務 日本妖怪変化史
諸国百物語
鳥山石燕 今昔画図続百鬼
松井栄一 のっぺら坊とてるてる坊主
木原浩勝中山市朗 新耳袋
横溝正史 人面瘡
学校の怪談 常光徹
浅井了意 伽ぼう子
竹原春泉 絵本百物語
吉田富三 癌の実験的研究と細胞病理学


鳥山石燕 浮世絵師
ルイパストゥール
学校の怪談2


映画『学校の怪談』懐かしいなぁ。
校長岸田今日子の首が伸びるシーン、思い出しました。
あの頃、やたら学校の怪談系のシリーズ番組多かったですよね。楽しかったなぁ・・・。

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